企業インタビュー
ビジネス多角化の背景 ~アマナ・インタビュー vol.2~
Q2.ビジネスを多角化している背景を教えてください
ビジュアル制作がメインだったアマナのソリューションですが、ここ数年ではCMも含むキャンペーン全体の企画制作やイベント等も絡めたプロモーションの企画実施等その幅はかなり広がっています。
また、IMAプロジェクト【写真情報誌/サイト(『IMA』/『IMA Online』)及びコンセプトストア運営】をスタートさせるなど出版事業や店舗運営等も手がけ、ビジネスそのものも多角化しています。
その背景を伺いました。
色々な要素がありますが、まず大きいのはそれまで写真制作だけの依頼だったクライアントから、デザインやプロモーションまでやってほしいという依頼が増えてきた、ということです。
クライアント側も従来のマス広告中心のコミュニケーションからWebソリューションの方に力を入れてきているので、広告代理店に依頼する必要がなくなってきていて、じゃあアマナにまとめて、という流れが多くなってきました。
また、これまでクライアントは、撮影はここ、Webはここ、ムービーはここ、というようにデザインについてもバラバラに発注しているところが多かったのですが、それだとトーン&マナーがそろわなくなってしまうし、予算の都合もあるので一緒にできるならやって、という依頼も増えてきました。
この流れを受け、今後もクライアント直のビジネス(コーポレートマーケット)を増やしていく方針で、そのためにはコミュニケーションの手法の幅も広げていく必要があり、ソリューションが広がっているというわけです。
IMAプロジェクトのような一般消費者を対象としたアマナ発信のビジネス(コンシューマーマーケット)を始めたきっかけとしては、日本にもっと写真文化を広げたい、有望な写真家の方々を世の中に売り出したいという思いが根底にあります。
特に*コンセプトストアに関しては、その前に始動していたアートフォト事業も関連しています。
写真をアートとして楽しむアート好きな方やアート写真家を対象とした事業なのですが、その事業を進めるにあたり、アート写真を飾るとか、写真家の授賞式を行うといったことができるリアルな場所を設けたいという考えからスタートしました。
加えて、代表の進藤が常々言っている「五感を刺激し感動を与えよう」というコンセプトを実践する場としても使いたいという事情もあります。
そのため、店内は展示スペース、イベントスペース、カフェスペース、物販スペースといった五感を刺激する機能がそろっています。
*コンセプトストア
写真を身近に楽しむための複合スペース。
六本木と横浜で、それぞれ違ったコンセプトで運営中。
・IMA CONCEPT STORE(六本木):アート好きな富裕層向け。ラグジュアリー感を重視
・&ima(横浜):写真を楽しむファミリー向け。写真・撮影に関する体験コーナーも豊富
ただ、店舗展開をさらに進めていくとかコミュニケーション以外の事業をもっと展開するという発想は今のところありません。
IMAプロジェクトに関して言えば狙いは企業とのコラボレーションだったりします。企業とアートというのは結構結びつくことが多くて、特に外資系のラグジュアリーブランドなどは親和性が高いのです。そういう親和性が高い企業とのコラボを進めていきたいと考えています。
コンセプトストアにはイベントスペースがありますので、イベントという形でコラボもしやすくなっています。
さらに両店舗とも、コンセプトがはっきりしているので、それぞれの属性を活かして、特定の人だけを集めた他にはないイベントが実施できることが特徴です。
例えば、『IMA CONCEPT STORE』では写真展と組み合わせたラグジュアリーな新製品発表会、『&ima』ではロイヤルカスタマーのみを招き店内の色々な機能で遊んでもらい楽しんでもらうイベント、といったものです。
大規模なイベントはできませんが、クライアントがターゲットとしている顧客層に確実に届くイベント、クライアントのファンを満足させられるイベントを実施できるので、クライアントにも好評です。
実際、既に多くのコラボイベントを実施しています。
今後も、こういったコラボイベントは積極的に実施していく方針で、さらにそれをアマナ独自の施策として他社との差別化に使い、コーポレートマーケットでの案件受注増加につなげ、アマナ全体の売上増につなげていきたいと考えています。