この記事では、ポストコンサルの概要や主な転職先、ポストコンサルが転職市場で評価される理由やポストコンサルに転職するメリットを解説します。

ポストコンサルの転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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ポストコンサルとは

ポストコンサルとは、コンサルティングファームやシンクタンクでの勤務経験を活かして、他業界や異なる職種に転職した人材を指します。

コンサルティング業界では、戦略立案や課題解決、プロジェクトマネジメントなど実践的で高度なスキルを培えるため、ポストコンサルは転職市場で即戦力として高く評価される点が特徴です。

また、ひとくくりにポストコンサルと言っても、戦略系ファームや総合系ファーム、シンクタンクをはじめ、IT系や組織人事系、FASなど、さまざまな領域のコンサル出身者がいます。

さらに部門ごとに細かく部署がわかれているファームもあるため、それぞれ身につくスキルやその後のキャリアは異なることを知っておきましょう。

ポストコンサルが転職市場で評価される理由

ポストコンサルが転職市場で高い評価を得ている理由は、スキルセットやプロ意識にあります。

なかでも、以下の3つの能力はポストコンサルの大きな強みです。

課題解決能力

転職先では、ポストコンサルが持っている論理的思考力が重宝されます。

コンサルティング業務の本質は、クライアントが抱える複雑な経営課題に対して、徹底した分析に基づき、最適な解決策を提案することです。そのため、論理的思考力、仮説検証能力、データ分析力、そして多角的な視点から問題の本質を見抜く力が養われます。

これらの能力はビジネスのあらゆる場面で求められるものであり、ポストコンサルの人材がどの業界でも活躍できる基盤となっています。

具体的には、市場調査から得られた膨大なデータを分析し、新たなビジネスチャンスを発見したり、競合他社の戦略を分析し、自社の競争優位性を高める施策を立案したりといった場面で、その能力を存分に発揮できるでしょう。

リーダーシップ

多様な関係者を巻き込む推進力も、ポストコンサルが評価される理由です。

コンサルタントは、プロジェクトリーダーとしてプロジェクトごとに異なるチームやステークホルダーと連携し、合意形成を図りながら目標達成へ導きます。

同時に、高いコミュニケーション能力や交渉力、プレゼンテーション能力、そしてチームをまとめ上げる強いリーダーシップが求められます。

この経験から、ポストコンサルは異なる背景を持つ人々をまとめ、プロジェクトを成功に導くスキルを持つのが強みです。転職後もリーダーシップスキルを活かして、組織全体を巻き込みながら目標達成に向けて貢献できる点が評価されています。

特にスタートアップや事業会社では経営層に近い立場でリーダーシップを発揮することが期待されるため、大きな強みとなります。

プロフェッショナルマインド

ポストコンサルは、成果に対するコミットメントが高い点も特徴です。

コンサルティング業界はタイトなスケジュールのなかで常に高い成果を求められる、厳しい環境です。

強いプレッシャーがあるなかで、コンサルタントは自然と強い責任感や主体的に仕事を進める力を身につけます。

また、自己研鑽を怠らず新しい知識やスキルを学び続ける姿勢も重要なポイントです。

これらのプロフェッショナルマインドは、新しい環境に適応し成長し続ける力を生み出すだけでなく、チーム全体にもポジティブな影響を与えることから、ポストコンサルの人材は即戦力として信頼されています。

ポストコンサルの主な転職先

ポストコンサルのキャリアパスは多岐にわたります。

ここでは、代表的な転職先をいくつか紹介します。

PEファンド関連

PEファンド関連はコンサル時代に培った戦略立案スキルやデータ分析能力を活かせるため、人気の高い転職先のひとつです。

具体的には、PEファンドのバリューアップ担当か、あるいは投資先の経営陣が現実的な転職先となります。

PEファンドの主な役割は、将来性のある企業に投資し、経営改善を通じて企業価値を高めたあとに高値で売却することです。

投資先の多くは一定の事業基盤を持つ企業のため基礎構造を作り直す必要はなく、売り上げを伸ばす提案やDX化の促進など、企業価値を高める施策が求められます。

その際、ポストコンサルの分析力や課題解決力、プロジェクトマネジメント能力といったスキルをダイレクトに活かせます。

このように、企業価値向上に向けてあらゆる施策をしがらみなく実行できるのが、PEファンドの魅力です。限られた期間内に全力で取り組むPEファンドのスタイルは、コンサル出身者にとってフィットしやすいでしょう。

さらに、PEファンドでは投資家としての視点も養われます。

コンサル時代ではクライアントへの提案やアドバイスに留まっていた立場から、PEファンドでは企業の売却を含む資本取引の全プロセスに関与できるため、ポストコンサルの人材にとって魅力的なキャリアパスとなっています。

事業会社

事業会社への転職も、ポストコンサルに多く選ばれているキャリアパスです。

なかでも経営企画や新規事業開発のポジションでは、戦略的思考力や課題解決能力を発揮する機会が多く、コンサル時代のスキルを活かせます。コンサルとは異なり、提案だけでなく実行にも携わるため目に見える成果がやりがいにつながります。

一方で事業会社へのキャリアパスは、従来は報酬が見合わないケースがほとんどでした。しかし昨今では、コンサル経験者に一定の報酬を提示する事業会社も多く存在します。結果として、コンサル経験者が事業会社へ転職するケースが増加しています。

またPEファンド関連に比べて、事業会社は仕事のペースがゆるやかです。

しかし、常に中長期を見越して仕事ができるメリットもあります。ある程度の時間をかけて、中長期目線で会社を大きく変えられる点が事業会社の魅力です。

大手企業の場合、福利厚生やワークライフバランスが整っていることも多く、安定した環境で長期的なキャリアを築ける点も選ばれる要因と言えるでしょう。

スタートアップ企業

スタートアップでは、ポストコンサルが経営幹部や事業責任者として活躍する機会が豊富にあります。

急成長している企業では、戦略立案から実行までのあらゆるプロセスに関与します。

経営戦略の立案や実行、組織構築、資金調達など、さまざまな業務に携わり、会社の急速な成長を感じられるでしょう。ストックオプションなどの成果報酬型の報酬体系を導入している企業もあり、成功した場合には大きなリターンを得られる可能性もあります。

コンサルティングファームで大企業をクライアントにしていると、社会にどのように貢献するか、社会起点の思考が強くなるケースもあります。

その結果、大企業でカバーしきれない分野の社会問題を解決したいと、コンサル時代に培った課題解決能力やリーダーシップを活かせるスタートアップ企業を選ぶ人材も多いです。

企業の成長にダイレクトに携わりたい、問題解決のために新たなサービスやプロダクトを創出したいという志向を持つ人材には、スタートアップは最適な環境と言えるでしょう。

ベンチャー企業

ベンチャー企業は、スタートアップほどリスクが高くなく、ある程度成長基盤が整っている企業が多い点が特徴です。

すでに成長フェーズにあるベンチャー企業においても、事業拡大や経営基盤強化のための即戦力として、ポストコンサルは需要の高い人材です。

また、ベンチャー企業は経営陣との距離が近く、意思決定のスピードが速いです。コンサル経験者として、全体の方針や方向性に直接関わりながら大きな成果をあげられるでしょう。

また、比較的柔軟な働き方が可能な場合もあり、自己裁量を持ちながら仕事を進める環境が整っています。

他のコンサルティングファーム

コンサルティングファーム間での転職も、ポストコンサルにとっては一般的なキャリアパスのひとつです。

まず、自分がやりたい案件が他のファームにあるケースが考えられます。

戦略系からIT系ファームへ転職したり、特定の業界や領域に特化したファームへ移籍したりといった場合です。あるいは、シニアコンサルタントからマネージャー以上へ職位を上げる目的で転職する人材も一定数います。そのほか、働き方や異なる企業風土を求めて転職するケースも見られます。

他のコンサルティングファームでは、これまでのコンサルタントとしての経験を活かしながら、特定の領域で専門性を深められるほか、新たな領域に挑戦することが可能です。これまで培ったスキルやノウハウを活かしつつ、新たな環境で成長を続けられるでしょう。

ポストコンサルに転職するメリット

コンサルティングファームで培った経験とスキルは、転職市場において大きな武器となります。

ポストコンサルタントの転職には、自身のキャリアアップだけでなく、ワークライフバランスの改善など、さまざまなメリットがあるため、確認していきましょう。

市場価値を反映した高収入の獲得

ポストコンサルのスキルセットや経験は、転職市場で高く評価されています。

転職によって収入アップできる可能性が高く、自身の市場価値を適切に評価してくれる企業で働くことが可能です。

ストックオプションや成果報酬型のインセンティブを得られる場合もあり、これまでの経験がダイナミックに収入アップに繋がる可能性があります。

コンサル時代の実績や市場価値を正しく評価してくれる企業に転職することで、収入面での大きなメリットを受けられるのがポストコンサルの魅力です。

キャリアアップの機会

ポストコンサルへの転職は、キャリアアップのチャンスです。

コンサルティング業界で得たスキルを基に、新しい業界や役割で活躍の場を広げることが可能です。

事業会社では経営層に近い視点で仕事ができるため、キャリアを次のステージへと進める足掛かりになります。スタートアップやベンチャー企業では、経営幹部として自ら事業を推進することから、将来的に独立や起業をする際に武器となるでしょう。

PEファンドでは投資のプロフェッショナルなど、それぞれのフィールドでキャリアアップの機会があります。他のコンサルティングファームへの転職では、専門性を深め、よりニッチな領域のエキスパートを目指すことが可能です。

ポストコンサル転職は、新たなキャリアパスを模索するよい機会となります。

ワークライフバランスの改善

コンサルティングファームに比べて、ワークライフバランスが改善されるケースも多いです。

特に事業会社では、ワークライフバランスを重視した柔軟な働き方を採用しているケースも増えています。

ただし、一部のスタートアップやベンチャー、あるいはPEファンド関連では、依然として労働時間が長い場合もあるので、企業風土をしっかりと研究する必要があります。

ワークライフバランスが改善されると、プライベートの時間を有効に使えます。

働き方と生き方の両面で、高い満足度を得られるでしょう。ワークライフバランスの改善は、コンサル業界で長時間労働を経験してきた人にとって、重要な要素です。

まとめ

この記事では、ポストコンサルの概要や主な転職先、ポストコンサルに転職するメリットを解説しました。

ポストコンサルへの転職は、これまでの経験を活かし、新たなフィールドでキャリアアップできるでしょう。
また転職先として、PEファンド関連や事業会社など、多様なキャリアパスが存在するので、自分自身に合った企業を選ぶことが大切です。

転職エージェントを活用することで、キャリアの相談はもちろん、面接対策や希望に合った求人の紹介など、様々なサポートを受けることができます。

ポストコンサルの転職を検討している方は、転職エージェントを活用して、効率良く転職活動を進めましょう。