コラム
『多動力』読みました
こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?
6月なのに、朝晩が涼しく晴れているときは過ごしやすい日が多いですね。
もう梅雨入りしてしまいましたが、体調を崩さずに仕事に邁進しましょう。
我が家は既に梅酒を漬けて、ジャコ山椒も仕込みました。
最近、堀江貴文(ホリエモン)氏が「多動力」(幻冬舎)なる本を出されて話題になっております。
少し前にネット上で大炎上になった「寿司屋の修行なんて意味がない」という彼の主張に対し、キャリアカウンセラーとしては一度考えておかなければならないと思い拝読しました。
彼の価値観の根本には、「好きなこと」もしくは「面白い」ものに没頭することに自分の貴重な時間を投下すべきで、それを邪魔するファクターを徹底的に排除するというポリシーがあるので、非常にクリアで理解しやすいです。
本の中で、普段のスケジュールを紹介しておりますが、時間を大切にしている姿勢がうかがえます。(その割には夜の飲みの時間が多いような気もしますが、ガソリン注入なのでしょうね。)
例えば「電話を掛けてくる人間とは仕事をするな」とか「経費精算は自分でやるな」など非情なほど合理的です。
電話の着信の履歴は、時間の搾取者のリストであると。
私も仕事でのコンタクトのほとんどはメールで、電話はごく限られた時にしか使用しません。
ただ我々の仕事の場合は、文字では現れてこない微妙なニュアンスが付きまとうので、例えば候補者が複数案件に応募している際の優先度など、どうしても本音ベースで話をして確認したい状況がたまに出てくることがあります。
年収の高い投資銀行系の候補者は、めったに電話に出てくることはないので、メールでのやり取りを最優先しますし、どうしても電話を掛けなければいけない時は、ランチタイムとか夕刻以降など、相手の仕事の状況を想像しながらコンタクトします。
経費精算はさすがに弊社規模の会社では当然、自分でやっております。
PASMOのデータを引用してきたり、普段の経費でコーポレートカードを使用すればそれほど大変な作業にはならないかとは思いますが、弊社は中小企業なのでそこまでインフラが整っておりません。悪しからず。
さて、例の「寿司屋の修行なんて意味がない」の件ですが、ホリエモンの主張は、インターネットの登場によりノウハウや情報の価値が相対的に急低下しており、「3年我慢したら次の仕事を教える」といった職業に就いたら、この変化の激しい世の中では貴重な成長機会の逸失になるということです。
そして、一つのことに10000時間(1日6時間でほぼ毎日5年間)取り組めば100人に一人の人材になれるはずなので、次に他の分野に10000時間を投下すれば100人×100人=10000人に一人の人材になれる。
それを多方面展開すれば唯一無二の存在に到達する。
インターネットの出現により、産業ごとの縦の壁が崩れてすべての産業が将来的に水平分業型モデルになっていくので、イチローほどの才能を持ち合わせていない私を含めた一般人が一つの仕事に捕らわれていては、価値のあるものを生み出せなくなってしまうということで、至極もっともな主張です。
ただ、弁解をするとすればホリエモンの付き合っている人種は所謂、企業家やクリエーターが多いはず?で、名刺に多くの肩書が書いてある人は珍しくないでしょうが、我々がお会いしているサラリーマンで、複数の名刺を持ち合わせている方は100名に数名位の確率です。
では、多方面展開できる能力を持ち合わせていそうな人は?となると、機会さえあればできるのでしょうが、決して多いようには思えません。
これは、私の勉強不足か努力不足なのですが、コンサル以外でインダストリーボーダーレスのような職種の求人案件を扱ったことは記憶になく、恐らくベンチャー企業まで探しに行かないと見つからないのではないか?と推察しております。
というのも、私の日ごろの営業活動が、現状は候補者の方の雇用の安定に重きを置いているので、クライアントポートフォリオが金融の大企業中心になっているからです。
産業ごとの壁がいつどのように崩壊していくかは私のような者には想像もつきませんが、すべての壁が無くなるというよりは、他業態より優位性のある職種は残り、そうでない職種が消えてなくなる(それが横断的にどこかの企業に独占される)といった選別的な取捨選択といったプロセスになっていくのではないか?と思っております。
それに人工知能が絡んでくるから余計にややこしくなりますね。
あくまでも、私の推論なので知見のある方は是非ご教示ください。
いずれにしても、我々としては目の前の課題に対して他の人より早く習熟して次のテーマを見つけることしかないのでしょう。
といいつつ7年同じことをして進歩のない自分ではありますが・・・