転職ノウハウ

外資系投資銀行(外銀)とは|仕事内容や求められるスキルを解説

目次

この記事では、外資系投資銀行(外銀)の概要や仕事内容、求められるスキルや向いている人の特徴を解説します。

 

外資系投資銀行への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

外資系投資銀行(外銀)とは

外資系投資銀行は、主に企業の資金調達やM&A(企業買収・合併)のサポートを行う金融機関です。

 

一般的な銀行とは異なり、預金業務は行わず、投資銀行業務と証券業務を行います。

 

外資系投資銀行は、世界経済に大きな影響力を持っており、企業が成長戦略を実行する際の重要なパートナーです。特に、大規模な企業の買収や合併、国際的な資金調達案件などで中心的な役割を果たします。

 

外資系投資銀行の特徴として、実力主義の社風や高い年収水準が挙げられます。

年齢や経験年数ではなく、個人の成果や実績によって評価される環境であり、成果を上げた分だけ高い報酬を得られる仕組みです。

 

国際的な金融市場で活躍できるキャリアパスも魅力です。

グローバルなネットワークを活かし、世界規模でのビジネス展開をサポートする役割も担っています。

外資系投資銀行と国内投資銀行との違い

投資銀行と聞くと、外資系銀行のイメージが強い人も多いですが、国内の投資銀行も存在します。

 

外資系投資銀行と国内投資銀行では、業務範囲などいくつかの違いがあるため、転職を検討する際は事前の情報収集が重要です。

 

外資系投資銀行と国内投資銀行との違いを紹介します。

業務範囲の違い

外資系投資銀行と国内投資銀行では、クライアント層や運営形態が異なるため、業務範囲が違います。

 

外資系投資銀行は、地球規模の幅広いネットワークを活かし、国境を越えたM&A案件や国際的な資金調達プロジェクトを手掛けることが大半です。

 

国内投資銀行と異なり投資銀行専門として独立しており、1件あたりの案件金額も数千億円から数兆円規模と大きい傾向です。世界経済に与える影響力も強いと言えます。

 

国内投資銀行は主に国内企業間の案件を扱い、証券会社の一部門として運営されている場合がほとんどです。中小規模のM&Aや資金調達支援も行っていますが、債券・株式の引受を中心とする取引額が大きく、外資系投資銀行より案件数は多くあります。

 

業務範囲が重なる部分はありますが、国際的な案件に挑戦したい人は外資系投資銀行がおすすめです。

企業文化の違い

外資系投資銀行と国内投資銀行は、企業文化にも大きな違いが見られます。

 

外資系投資銀行は徹底した実力主義を採用しており、個人の成果や実績によって評価・昇進が決定されます。成果に応じて高額なボーナスが支給される場合もあり仕事の柔軟性の高さも特徴です。

 

国内投資銀行では、日本的な経営スタイルを採用し、年功序列や終身雇用の要素を残しているところもあります。チームワークや協調性を重視し、長期的な人材育成に力を入れている点も魅力です。

 

それぞれの企業文化をふまえ、自身の能力や目指す働き方をふまえて検討しましょう。

キャリアパスの違い

長期的に働くことを考える際、外資系投資銀行と国内投資銀行のキャリアパスの違いにも目を向ける必要があります。

 

外資系投資銀行では、より良い条件やポジションを求めて積極的にキャリアアップを図る傾向です。

ジュニアアナリストから、ディレクターまで、多様なキャリアに進めます。海外の優秀な人材と働く機会も多く、国際的なキャリアを築きやすい環境です。

 

国内投資銀行では、長期的にキャリアを築くのが一般的です。また、社内での異動や研修を通じて、幅広い業務経験を積み、ローカルな市場環境を把握することが求められます。1つの企業でじっくりと経験を積み、段階的に昇進していく形が主流ですが、コンサルティング業界や事業会社に転職する人もいます。

 

どちらも、部門や将来的なキャリアによって必要なスキルが異なるため、将来のビジョンから逆算して選択することが重要です。

外資系投資銀行の主な仕事内容

外資系投資銀行は、企業や機関投資家を対象に高度な金融サービスを提供しています。

 

ここでは、主な仕事内容を紹介します。

投資銀行部門(IBD)

企業の資金調達支援やM&Aアドバイザリーを行う、投資銀行の中心的な部門です。

 

債券や株式の発行方法を提案し、調達計画から実行までをサポートすることが主な役割です。

マーケット部門

金融商品の売買を担当する部門で、以下に分かれます。

セールス

クライアントとの取引を担当し、新規顧客の獲得や関係構築を行います。

トレーダー

株や債券などを取引し、数秒単位で市場の変動に対応する部門です。

ストラクチャー

新しい金融商品を設計する職種で、顧客ニーズに応じた商品の開発を行います。

リサーチ部門

市場や企業を分析し、業務遂行のためのデータを提供する部門です。

 

企業のM&Aの成功に必要な情報や市場全体の動向を把握し、レポートを作成します。

アセットマネジメント部門

顧客から集めた資金を運用し、利益を生むことが目的の部門です。

 

投資信託のように株式、債券、不動産などを組み合わせて資産運用を行います。

外資系投資銀行(外銀)一覧

外資系投資銀行には、グローバル企業が多数あります。

 

ここでは、日本に法人がある主要な投資銀行を紹介します。

ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスは、ニューヨークに本社を置く世界最大級の投資銀行です。

 

企業、金融機関、政府機関を対象に、M&Aアドバイザリーや資金調達支援など幅広い金融サービスを提供しています。

 

日本ではゴールドマン・サックス証券株式会社として、専門性の高さとグローバルな影響力が評価されています。

モルガン・スタンレー

モルガン・スタンレーは、ニューヨークを拠点とするグローバルな金融サービス企業です。

 

投資銀行業務や資産運用、ウェルスマネジメントを強みとしていて、日本における証券合弁事業として、モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社があります。

 

三菱UFJフィナンシャル・グループとの提携を通じて、強固な市場基盤を築いています。

J.P.モルガン

J.P.モルガンは、ニューヨークに本社を持つ総合金融機関です。

 

投資銀行や商業銀行、資産運用業務において高い評価を受けています。

 

特にクロスボーダー取引に強みを持ち、日本ではJPモルガン証券株式会社として、長い歴史と信頼性で支持されています。

シティグループ(シティバンク)

シティグループは、アメリカ合衆国に本社を置く大手金融機関で、法人向け銀行業務や投資銀行業務に注力しているのが特徴です。

 

日本では個人向け事業から撤退し、シティグループ証券株式会社が法人向けサービスでの競争力を高めています。

バンク・オブ・アメリカ(メリルリンチ)

バンク・オブ・アメリカは、アメリカを拠点とする大手金融機関です。M&Aアドバイザリーや株式・債券のトレーディング業務に強みを持っています。

 

日本ではBofA証券株式会社として、アジア市場を含むグローバル展開での影響力が大きくなっています。

外資系投資銀行に求められるスキル

外資系投資銀行で活躍するためには、専門知識だけでなく、高度なビジネススキルや個人の資質も必要です。

 

重要とされるスキルを確認していきましょう。

高い英語力とコミュニケーションスキル

外資系投資銀行では、グローバルな環境で英語を使う場面が多くあります。

 

交渉やプレゼンテーション、メール対応など、あらゆるビジネスシーンで英語力は必須です。グローバルな金融市場の専門用語や、業界特有の表現にも精通している必要があります。

 

また、複雑な情報を的確に伝え、クライアントとスムーズにやり取りできるコミュニケーション能力も重要です。相手の意図を理解し、円滑にコミュニケーションを取るスキルが求められます。

分析力と問題解決能力

外資系投資銀行で活躍するには、財務諸表や市場データを正確に分析し、課題に応じた適切な解決策を提案する能力も不可欠です。

 

外資系投資銀行では、Excel・PowerPointなどのビジネスツールを使いこなし、限られた時間内に膨大なデータを処理する場面が多くあります。複雑なデータをわかりやすく整理・可視化するスキルも求められます。

 

また、分析結果から問題の本質を見抜き、実現可能な解決策を提案できる力も欠かせません。クライアントの経営課題や市場動向をふまえた戦略的な提案ができなければ、信頼関係を築くことは困難です。

 

チーム内でも建設的な議論ができ、より良い解決策を導き出せる能力が評価されます。

柔軟性

外資系投資銀行では、突発的な状況に対応する柔軟性や、優先順位を迅速に切り替えられる能力が重視されます。

 

自分のペースを保ちながら、効率的な業務遂行とワークライフバランスの両立を図れることが、長期的なキャリア形成に役立ちます。

外資系投資銀行に向いている人の特徴

外資系投資銀行は、高い専門性と成果主義が求められる環境です。

 

ここでは、外資系投資銀行に向いている人の特徴を解説します。

グローバル志向で挑戦を楽しめる人

外資系投資銀行では、多国籍のチームメンバーやクライアントと仕事をする機会が多くあります。

 

そのため、異文化交流や国際的なプロジェクトに前向きに取り組めることが重要です。多様な視点を吸収し、挑戦を楽しめる人はこの環境で活躍できるでしょう。

数字やデータに強く、論理的に考えられる人

外資系投資銀行の業務では、財務諸表や市場データなど、膨大な数値情報を扱う機会が多いです。

 

そのため数字に強く、データを元に論理的な提案や分析ができる人が求められます。また、課題解決のプロセスを冷静で的確に進められる力も必要です。

プレッシャーに強く、結果にコミットできる人

外資系投資銀行では、高い目標に対するプレッシャーを力に変え、結果を出せる人が向いています。

 

また、個人としての成果だけでなく、チームの目標達成にコミットできる姿勢も求められます。

 

外資系投資銀行での業務は高いレベルを求められることがありますが、その分達成感も非常に多いでしょう。

 

そのような環境でモチベーションを高く持ち続けられる人は、働くのに向いていると考えられます。

まとめ

今回は、外資系投資銀行の基本情報や仕事内容、求められるスキルや向いている人の特徴を紹介しました。

 

外資系投資銀行はグローバルで非常にやりがいがある一方で、高いスキルが求められます。

 

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