この記事では、PEファンドの業務内容ややりがい、向いている人の特徴などについて解説します。

PEファンドとは

PEファンドは、未公開（非上場）企業の株式に投資する、もしくは上場企業を非公開化して投資するファンドです。

PEとは「プライベートエクイティ（Private Equity）」の略で、未公開株式を指します。

PEファンドは、投資家から資金を集め、企業価値を高めて売却益を得ることが目的です。投資後、投資先の企業に入って業績改善や企業規模拡大を実現できるようサポートし、リターン向上を目指します。

近年、東芝やそごう西武の買収など、PEファンドによる大規模な買収案件が増えたことで広く認知され、転職先として注目を集めています。

高度な専門知識とスキルが求められる分、やりがいが大きく年収も高い傾向にあり、金融業界の中でも特に人気の職種です。

PEファンドは激務？忙しさはどれくらい？

PEファンドは、高い専門性やキャリアップに関わる責任がある分、一般的には忙しいとされています。

業務の責任やスキルに触れた上で、PEファンドの忙しさを解説します。

業務の責任

PEファンドは、投資家から集めた資金を元に企業に投資を行い、投資先企業の価値向上に向けてサポートするため、重い責任を感じる可能性があります。誤った投資判断が多額の損失につながるリスクがあり、正確な見極めが必要です。

投資後のサポートも重要な業務であり、場合によっては大きな経営判断が求められ、常に高い緊張感が伴います。

一方、自身の関与できる業務範囲は広く、企業経営に対する影響力も大きいため、その分強くやりがいを感じられます。

高度なスキルを求められる

PEファンドでの業務には、非常に高度なスキルが必要です。

例えば、企業の財務分析や投資戦略の立案、交渉力など、複雑なスキルや専門知識をバランスよく持ち合わせることを求められます。

企業価値の評価や市場動向の分析など、正確性も重視されます。スキルの要求水準が高く、継続して学び続けることで活躍できる業種です。

長期的な目で見れば自分のスキルアップにつながり、成長機会を得られる点は魅力です。

PEファンドの忙しさ

投資銀行やコンサルティングファームと比較すると、PEファンドの残業時間はやや短い傾向があります。

PEファンドの投資対象の企業は、投資銀行とは違いクライアントという関係性ではありません。そのため、企業の都合に左右されず自身でスケジュールを管理できる点が大きな特徴です。

ただし、案件の進行時期や決算期など、業務が集中するタイミングでは残業が増加することもあります。また、所属するPEファンドの属性によっても残業時間に差が生じます。

業務に慣れてくればある程度調整可能であり、一時的な残業時間の多さは、将来的なキャリア形成につなげるための時間と捉えられるでしょう。

PEファンドのやりがい

PEファンドの業務は激務であると言われますが、大きな充実感を得られ、責任ある仕事に挑戦したい人にとって取り組みがいがあります。

PEファンドで働くに際してのやりがいについて、詳しく解説します。

長期的に案件に携われる

PEファンドは、投資先企業の成長に深く関与し、長期間サポートできる仕事です。

他の企業買収ファンドや投資銀行とは異なり、PEファンドは投資した企業の経営に積極的に関わり企業の成長を支えます。

投資銀行の場合、企業へのサポート期間は通常1年程度ですが、PEファンドでは3年以上の期間をかけて企業に関わることが多くあります。

PEファンドのビジネスモデルは、投資先企業の価値を中長期的に向上させ、最終的には売却や上場で利益を得る形態です。短期的な利益ではなく、企業の成長を着実にサポートし大きな成果を出すことが求められます。

投資先の選定からサポートまで継続して案件に携わり、高い達成感と大きなやりがいを感じられます。

企業の成長に深く関われる

PEファンドでは経営者と近い立場で経営に関われるため、企業の成長に直接関与でき、充実感を得られます。

資金を提供するだけでなく、経営に関わる意思決定にも積極的に参加し、企業が成長するための戦略や施策を考え実行することが必要です。

経営者と共に事業を進めるため、現場の変化を間近に感じて自身の貢献度を実感できるため、達成感もあります。

投資先企業の経営者やマネジメント層と話しながら、企業の成長や再生に自ら貢献できることは、PEファンドのやりがいの1つです。

スピード感ある環境で活躍できる

PEファンドの業務では、利益を最大化するためにスピード感が求められます。

PEファンドは長期的な視点で利益を目指し、期間内には企業の成長を推進するタイミングを逃さないよう、経営者とともに意思決定が繰り返されます。投資を決定してから適切なタイミングで経営改革や成長戦略を実行するためには、テンポ良く業務を進めることが重要です。

素早い意思決定や実行力が必要なため、変化の激しいVUCAな時代で活躍できる力を養える点がやりがいにつながります。スピーディな意思決定で仕事が進んでいく場で、自身のスキルを磨き成長を実感したい人におすすめです。

PEファンドに向いている人の特徴

やりがいが大きく、経営者との意思決定など、企業と密接に関わってサポートできるPEファンドは、人気の職種の1つです。

PEファンドへの転職を検討するにあたり、自分が活躍できるぞんざいであるか気になる人も多いでしょう。

ここでは、PEファンドに向いている人の特徴を紹介します。

ファイナンスに関する知識が深い人

PEファンドでは、企業の買収や資本再編といった高度な財務取引が行われるため、ファイナンスに精通している人は大いに活躍するチャンスがあります。

PEファンドの業務において、ファイナンスの知識は欠かせません。知識が不足していると業務の各フェーズでの議論についていけない可能性があります。

深いファイナンス知識を持っていれば、投資判断や戦略的な意思決定の場面で大きな力を発揮できます。PEファンドの業務範囲は多岐にわたるため、不足しているスキルがあれば積極的に学んで身につける姿勢が重要です。

特に、財務諸表の分析や企業価値を正確に評価できるスキルを持つ人は、即戦力としての採用も期待できます。

プロジェクトマネジメント力がある人

PEファンドでは、プロジェクトを適切に管理し、円滑に進めるためのマネジメント力が求められます。

案件が複雑かつ長期にわたる中で、責任を持って業績改善や企業規模拡大のためにプロジェクトを遂行するに際し、マネジメント力は重要なスキルです。

企業の買収や再編には多くのステークホルダーとの連携や調整、スケジュール管理、リスクコントロールが必要です。プロジェクト全体を俯瞰して進行させるだけでなく、トラブル発生時の迅速で適切な判断や、チームをまとめるリーダーシップも期待されるでしょう。

スケジュールを遵守し、柔軟な発想でミッションを達成できる優れたプロジェクトマネジメント力を持つ人は、PEファンドの業績に大きく貢献できる可能性があります。

コンサルタントの経験がある人

コンサルタントとしての経験がある人は、特に企業の成長サポート業務において活躍が見込めます。

PEファンドでは、企業の経営改善や成長戦略を立案・実行する能力が必要です。

コンサルタントとして企業の問題点を分析し、改善策を提案してきた経験は、PEファンドで投資先企業の経営改善を検討する際に大きく貢献できると言えます。

また、PEファンドでは多数のステークホルダーと連携しながらプロジェクトを進めることが多いため、コンサルタント時代に培ったコミュニケーションスキルや調整能力も役立ちます。関係者との円滑なコミュニケーションは、プロジェクトの成功に欠かせません。

コンサルタント経験者は、PEファンドの複雑な業務において多方面で活躍できる可能性が高く、特に企業の経営改革や成長支援を担当する際に強みを活かせます。

まとめ

この記事では、PEファンドの仕事内容や、やりがいなどについて解説しました。

PEファンドは忙しい部分もありますが、その分やりがいも大きく、金融業界の中でも人気の高い業種です。しかし、PEファンドの種類によって企業との向き合い方は異なるため、自分が活躍できる求人を見つけるのは難しい場合もあります。

PEファンドへの転職を検討する場合は、金融業界に精通した転職エージェントの利用がおすすめです。希望条件に合った求人の紹介や面接対策などのサポートを受けられ、効果的に転職活動を進められます。

PEファンドへの転職を考えている方は、まず転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。