転職ノウハウ
サステナビリティコンサルタントとは|向いている人の特徴や仕事内容を解説
この記事では、サステナビリティの基本概念から、サステナビリティとSDGs・ESGの違い、サステナビリティコンサルタントの仕事内容や向いている人の特徴などを解説しています。
サステナビリティコンサルタントへの転職を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
サステナビリティとは
サステナビリティ(sustainability)は、日本語で「持続可能性」と表現され、持続可能な状態に導くための目指す考え方や取り組みを指す言葉です。
2015年に採択され、2030年までの世界共通目標として掲げられているSDGsとの関連性が深く、近年ではビジネスシーンでもサステナビリティへの取り組みが重要視されています。自社の利益を追求するだけでなく、社会的な責任を果たして持続可能な発展を目指す経営方法や考え方が求められているのです。
サステナビリティには、「環境保護」、「社会開発」、「経済発展」という3つの柱(トリプルボトムライン)があります。
環境保護は、森林保存や海洋汚染対策といった地球環境を保護する活動を指しており、脱炭素社会実現に向けた活動も含まれます。人間の活動によって発生する環境への負荷を軽減し、地球を持続可能な場とすることが重要です。
社会開発は、平等な社会環境づくりのための 社会サービスの改善や、多様性のある働き方推進などが挙げられます。貧富の差やジェンダー格差のない社会を目指すことが求められています。
経済発展は、企業による持続可能な経営やサステナブルマーケティング、サステナビリティ経営を展開する企業への投資などのことです。従業員や生産者の労働環境にも配慮が必要です。
昨今では、オーガニック製品や再生可能エネルギーの活用といった、環境にやさしい商品やサービスが高く支持されるようになっています。企業が消費者に選ばれる商品やサービスを提供するには、サステナビリティの観点が必要不可欠です。
サステナビリティとSDGsの違い
サステナビリティに関連する用語のひとつに、「SDGs」があります。
SDGsは「SustainableDevelopmentGoals」が略された言葉で、日本語で「持続可能な開発目標」という意味です。2030年までに達成すべき世界共通の目標として掲げられており、経済・社会・環境に関する具体的な目標17と、169のターゲットが示されています。
サステナビリティが「持続可能な発展を目指す」という広範な概念であるのに対し、その具体的な目標を示しているのがSDGsです。
SDGsは2030年までに達成すべき世界共通の目標ですが、サステナビリティには期限の定めがありません。サステナビリティの3つの柱である「環境保護」、「社会開発」、「経済発展」の調和を意識しながら、長期的に取り組むことが重要です 。
サステナビリティとESGの違い
他にもサステナビリティに関連する用語のひとつとして、「ESG」があります。
ESGは「EnvironmentSocialGovernance」が略された言葉です。
環境・社会・ガバナンスを考慮した経営・事業活動や投資活動を意味し、投資家からも非常に注目されています。
企業が長期的に成長するために 、経営においてESGの3つの観点が必要だという考え方が世界中で広まって います。投資家が投資先企業を選定する際の判断基準のひとつに、ESGが含まれているのです。
サステナビリティは抽象的な概念ですが、ESGは経営において企業がサスティナビリティにまつわる社会的責任を果たすための具体的な基準や指標を示します。ESGはサステナビリティ経営を実行する道しるべであり、ESGに配慮した取り組みを進めることは企業の長期的な成長にもつながります。
企業がESGに配慮した経営を手がけることで、SDGsの達成にも貢献可能です。
サステナビリティコンサルタントの仕事内容
サステナビリティコンサルタントは企業の現状や課題に合わせて、分析や評価、目標設定、情報開示など幅広い業務に携わります。担当するテーマも、生物多様・資源循環・水リスクの回避・気候変動など多種多様です。
ここでは、具体的な仕事内容について紹介します。
情報収集と現状分析
サステナビリティコンサルタントとして企業の成長をサポートするには、企業が行っている事業にまつわる情報収集や、現状分析が欠かせません。企業は、専門知識を持つ人材の不足や求められる内容の細分化に伴い、サステナビリティコンサルタントから具体性の高いアドバイスの獲得を期待しています。
サステナビリティの分野は幅広く、企業が課題を感じているポイントもさまざまです。しかし、企業内には情報を公開するための対応や、対応すべき観点を洗い出すための現状分析に割くリソースがない場合も多くあります。
サステナビリティコンサルタントは、現状の施策がもたらす環境や社会の影響、関わるSDGs目標などの情報を収集して分析し、柔軟に対応することが重要です。
プロジェクトマネジメント
サステナビリティコンサルタントは独立した立場で専門的な知見に基づいたアドバイスを手がけます。しかし、具体的な施策を実行するにはプロジェクトメンバーとの協力が必要です。
社内外のメンバーと密にコミュニケーションを重ね、共通認識として課題や目標を共有し、課題解決や目標達成に向けてサポートします。
プロジェクトの進行管理をはじめ、チームメンバーのリソースの確保、新しいシステムや制度の導入に向けた予算管理なども、サステナビリティコンサルタントの役割です。評価をもとに状況に応じた計画の修正を行い、円滑なプロジェクト進行に向けて伴走します。
取り組み事例の情報開示
企業で実施したサステナビリティにまつわる取り組みについて報告書にまとめ、開示するのもサステナビリティコンサルタントの仕事です。
特に最近は、国際的にサステナビリティ情報開示制度の整備が進んでおり、情報開示のニーズが高まっています。企業は単に収益を上げるだけでなく、ESG課題やSDGsなどに向き合い社会的な責任を果たすことが求められます。ステークホルダーは、従来の財務情報だけでなく非財務情報にも注目して企業を総合的に評価する傾向にあり、クリーンな企業をアピールするためにも情報開示は欠かせません。
また、開示義務に応じるだけでなく、情報開示により企業価値の創造・向上につなげることが重要です。情報開示は、サステナビリティコンサルタントとして企業の社会的な信頼性を上げるための重要な仕事です。
サステナビリティコンサルタントに向いている人の特徴
ここでは、サステナビリティコンサルタントに向いている方の特徴を紹介します。
柔軟な思考力や新しいことへの挑戦意欲がある方
企業の現状や課題に合わせて柔軟に考えることができる方、新しいサービスや仕組みを生み出すことに意欲的な方に向いています。社会の動きに敏感で、社会的課題や環境問題に対する興味・関心が高いことも重要です。
また、企業が公開しているガイダンスを読み解く力があり、データをきちんと分析して難しい内容でも論理的に分かりやすく説明できる方は、早期に活躍できるでしょう。
コミュニケーションスキルや人間関係構築力の高い方
社内外のさまざまな人と常に関わる仕事なので、相手に合わせたコミュニケーションを意識できる方、適切な報告・連絡・相談ができる方に向いています。
年齢や肩書き、立場、経験、価値観が異なる人々と早期に信頼関係を築くことが得意な方は、スムーズにプロジェクトを進めることができます。
さらに、限られた時間の中で仕事のクオリティを高め、求められる結果以上の付加価値のある成果を出すことが期待されます。ストレス耐性が強い方、プレッシャーを乗り越える力のある方、高い目標に向けた達成意欲のある方にもおすすめです。
インプットに意欲的で向上心の高い方
サステナビリティの分野では、次々に新しいテーマが登場しています。
ひとつのテーマが他のテーマと連動していることも多く、グローバルな動きも活発で、ニーズの変動も早いです。
世界的な情報や動向をキャッチするためにも、ビジネスレベルでの英語力、特に読解力や英文作成力をお持ちであれば活かせます。社会に対するアンテナを広げ、日々勉強を続けることが欠かせない仕事だけに、広い視野を持って多様な分野を学ぶことに意欲的な方は向いているといえるでしょう。
まとめ
サステナビリティコンサルタントは、これから先もニーズの高まりが予測されるサステナビリティの分野において、企業の課題解決や価値向上、社会的責任の一助となる仕事です。
コンサルティングに関する実務経験がなくてもチャレンジすることができ、将来性も高くなっています。
サステナビリティコンサルタントへの転職を検討している方は、コンサルティング業界に特化したエージェントを活用することがおすすめです。エージェントのプロが、仕事内容や給与といった希望条件に合った求人紹介をはじめ、履歴書の添削、面接対策など、丁寧にサポートしてくれます。