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PEファンド投資先で働くメリットとは

目次

PEファンド投資先で働くメリットについて、PEファンド投資先において取締役・執行役CFO・CSO経験を持つMWH HR Products株式会社の代表取締役社長 大原智彦氏に話を伺いました。

 

PEファンドの投資先としては、ラージキャップのPEファンドではない限り中堅企業以下が大半です。

 

そこで今回は、中堅企業以下のPEファンド投資先に転職するメリットについて、企業運営等の全体的な視点と個人にフォーカスした視点の、2つの側面からご紹介します。

投資先の運営体制

まずは、運営体制の観点から、PEファンド投資先で働くメリットをご紹介します。

合理性を重視した経営判断が行われる

PEファンドは金融投資家であり、非常に合理的かつ効果的な戦略を重視します。

 

中堅企業以下の企業には優れたビジネスモデル・技術を持つ会社がある一方、経営者が企業の持つポテンシャルを十分に活かしきれていないケースも少なくありません。

 

PEファンドは、オーナー企業のような斬新な発想や、他社が試みていない革新的な戦略を打ち出すことは多くはありませんが、経営/事業戦略の構築・数値管理・PDCAサイクルの徹底等、経営の質向上を通じて企業価値向上を目指します。

 

そのためにも、戦略策定等絵を書くのみでなく、実際の成果を出すことが求められる、実行に重きを置く傾向があります。

 

そのため、中堅企業以下の企業では経営者の資質によって「なぜこんな判断を」と思うような施策が行われることもありますが、PEファンドの投資先企業ではこうした非合理的な経営判断が行われることは全くないと思います。

 

PEファンドは投資先企業にとって大株主であり、場合によっては100%の株式を保有することもあります。少なくとも2/3以上の株式を保有し、会社をコントロールできるような割合で株を保有しているケースが多いため、ガバナンスがしっかり効いている状態です。

 

ここでいう「ガバナンスが効いている状態」とは、個人の趣味や好き嫌い、思いつきではなく、合理的・効果的で株主が納得する説明可能な施策を継続的に実行している状況を指します。

 

つまり、大きな方向性については、大株主であるPEファンドがしっかり中身を確認して議論しながら、会社の意思決定や運営を進めていくことになります。結果的に、経営の意思決定の質は向上していくと思います。

理にかなった施策が継続的に実行できる

従業員や役員の皆さんにとっては、納得感のある方向性や施策で会社経営が進んでいくことが一つのメリットといえます。

 

長年在籍しているプロパー社員の方は、これまでとはまったく異なる経営スタイルに戸惑い、変化を受け入れられないと感じることもあるかもしれません。

 

しかし、「この会社を良くしたい」と外部から加わった方にとっては、理にかなった施策が継続的に実行できることは大きなポイントとなります。

主要メンバーとして企業価値向上に携われる

PEファンドは通常3〜5年の短期間で企業価値を大幅に向上させ、最終的に「イグジット」と呼ばれる売却を行います。

 

そのためには、これまで企業内に根付いていたしがらみや暗黙の了解を打破することも多々あります。とにかく企業価値の向上にフォーカスし、実現に向けて多数の施策をスピーディーかつ同時並行で企画・実行できるのが大きな特徴です。

 

こうした経営環境で会社の変革を主導する一員となり経験を積めることは、自身のキャリアにとって大きなメリットになるでしょう。

適正な組織運営

PEファンドでは、外部からの採用を含めて会社を変革するための人材確保には、しっかりとお金をかけます。

 

そのため、不透明な人事が行われることはなく、パフォーマンスの低い既存のマネジメント層は淘汰され、適切な方により組織の適正な運営が図られます。これは、働く側にとっては大きなメリットと言えます。

 

また、信賞必罰の成果主義が徹底され、業務効率化に向けたシステム投資や過去のしがらみによる無駄なコストの削減、成長戦略の一環としてのM&Aの実施等が進められます。

 

数値や状況を細かく把握してPDCAサイクルを迅速に回す等、会社を成長させるために当たり前のことを徹底的に行う点も、PEファンドの投資先で働くメリットの一つだといえます。

 

働き手のメリット

働き手のメリットとしては、取締役と部課長クラスで得られるメリットは少し異なります。

取締役のメリット

取締役として参画した方は、自らのキャリアにおいてPEファンドの投資先において取締役として成果を出す機会を得たこと、数字に応じたインセンティブやストックオプションの付与といった経済的なメリットがあります。

 

近年は優秀な経営人材を確保するために、ベースの給与水準も上昇しており、キャリアを築きながらしっかりとした報酬も得られる、非常に魅力的なポジションといえます。

 

さらに、PEファンドの投資先では、基本的に入社時に与えられたポジションをベースに、イグジットまで業務を遂行するケースが多くなっています。

 

そのため、役員間の政治的な争いもなく、経営陣が一体となって企業価値の向上に専念できる環境が整っています。PEファンド投資先でのバリューアップや企業価値向上の経験は、次のキャリアにもつながります。

部課長クラスのメリット

部課長クラスのメリットとして、企業価値向上に向けてさまざまな施策を、スピーディーにPDCAを回しながら主体的に実行できる点が挙げられます。

 

多少の失敗があっても、別の方法を試しながら最終的な成果を追求する経験は、キャリアにとって大きなプラスになります。

 

PEファンドの投資先では、仕事をしているのかいないのか分からないような部課長は、ほとんど存在しません。

 

部課長クラスであっても、成果を出すために責任を持って業務に邁進できる点は大きな特徴です。

 

取締役のような多大な経済的メリットはないものの、確かなキャリアを築ける点は大きなメリットです。PEファンドの投資先で一定程度成果を上げると、他の投資先からも同様の役割を期待されることが多く、需要が高いポジションであると言えます。

 

PEファンドの投資先に未経験で入社する方の中には、的外れな動きをしてしまうケースもあります。PEファンドが重視するポイントを十分に理解できていないために、入社しても長続きしない方が一定数いるのが実情です。

 

一方、一度キャリアを築けばその後の活躍も期待でき、当然部課長クラスで成果を出せば、次は取締役や執行役員といったポジションへの転職も視野に入ってきます。部課長クラスにおいては、成果を出すという経験と、その後のキャリアが大きなメリットになります。

PEファンド投資先が向いていない人の特徴

PEファンドの投資先では成果を出すことが求められ、成果を上げなければ当然年収は下がります。

 

また、大企業のように指示さえ出せばあとは周りが手を動かしてくれるような環境ではないため、自らフットワーク軽く動き、手足を動かして成果を上げる姿勢が不可欠です。このような姿勢がない方には向いておらず、そもそも採用の段階で選考を通過することは難しいでしょう。

 

また、役員クラスにおいては、自らの業務に対する説明責任が求められます。

そのため、論理的に考えられない、指示を出すだけで何も動かないといった方は、期待外れと見なされて取締役のポジションを続けられなくなる可能性が高いでしょう。成果を出せない場合、大企業のように余裕をもって構えていられない点も、PEファンド投資先の特徴の一つです。

 

「成果を出すために今さら自分で手足を動かすのはしんどい」という考えの方は、PEファンドの投資先は合わないので、別のキャリアを検討することをおすすめします。

PEファンド投資先への転職をお考えの方へ

弊社では、さまざまなPEファンド投資先のポジションをご用意しています。

 

PEファンドの投資先でのキャリアに興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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