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人生100年時代における“後悔しないキャリア”を築くヒント

目次

人生100年時代を迎え、私たちのキャリアの在り方は大きく変わろうとしています。

 

かつては60歳で定年を迎えるのが一般的でしたが、今や80歳まで現役で働くことが珍しくない時代が到来し、人生の選択肢も広がっています。

 

このような時代の変化に柔軟に対応してキャリアを考えていかなければ、将来後悔することにもなりかねません。

 

今回は20年以上もヘッドハンターとして活躍されている、MWH HR Products 株式会社の桑原 雅彦氏に「人生100年時代におけるキャリアの築き方」を伺いました。

80歳まで現役時代の到来

人生100年時代を迎える私たちが、80歳まで現役で活躍し続けるには、できるだけ早い段階から準備を始めることが重要です。

 

これまで日本の社会では「3つのステージの人生」と言われており、学校で学び、就職し、定年を迎えるというのが標準でした。

 

しかし、ここ数年は「マルチステージ」と呼ばれるようになっています。勉強をして仕事をして、一度ブレイクを挟んで再び学び直し、再就職や起業へ進むといったように、人生の選択肢が広がってきています。

 

そのため、これまでの「3ステージの人生」から若干頭を切り替えて、色々な生き方ができることも考えていく必要があります。そして、新たな生き方をするためには「本当に自分がやりたいこと」を見つけ、できれば40代のうちから準備を始めていく必要があります。

求められるライフシフト「会社中心」から「自分中心」の時代へ

会社にすべてを委ね、役職定年を迎えた途端にやる気を失い、そのまま定年まで惰性で過ごしてしまう方は少なくありません。

 

こうした状況を避けるためには、時間はかかるかもしれませんが、会社中心ではなく「自分を中心に据えた人生」へと意識を切り替えていくことが大切です。今の時代、このようなシフトが強く求められています。

 

この人生の転換を表す言葉として、「ライフシフト」という言葉も一般的になりつつあります。ライフシフトの捉え方はさまざまですが、要は「自分の人生の主役は自分自身である」と認識して、自分が人生の主役になるためにアクティブに行動することが大切です。

 

ライフシフトに向けて、マインドを変えたり、色々と勉強して準備をしたりすることで、定年を迎えても自立し、活力あふれる面白い人生を送る方も増えてきています。

ライフシフトの3つのタイプ

ライフシフトには、大きく分けて次の3つのパターンがあると言われています。

エクスプローラー

エクスプローラーは、比較的若い世代に多く見られます。

 

会社を突然辞めて海外を放浪したり、新たな世界へ飛び込んだりと世界に目を向けて、さまざまな機会を活用しながら自分の人生を切り拓いていく生き方です。

インディペンデントプロデューサー

インディペンデントプロデューサーは、企業に雇われるのではなく、企業と顧問契約やコンサルティング契約を結ぶなど、個人事業で専門性を高めていく生き方です。

ポートフォリオワーカー

ポートフォリオワーカーは、本業を持ちながら、副業や社会活動、教育、趣味などに同時並行で携わる生き方です。

ライフシフトに必要な無形資産

ライフシフトを実現するためには「無形資産」が必要だと言われています。

 

人生100年時代において自分が主人公となるために、次の3つの資産が重要視されています。

生産性資産

生産性資産は、仕事をしっかりやる力のことです。

活力資産

活力資産は、心も体も健康であることです。

 

健康寿命を延ばすために、食事や睡眠をしっかり取り、運動をすることが重要です。また、遊びや趣味に打ち込んで心のケアをすることも含まれます。

変身資産

最も重要なのが「変身資産」で、自分を前向きに変えていく力のことです。

今、求められている人材とは

ライフシフトをして新しい生き方をするにしても、世の中から求められるスキルを持っていなければ、活躍の場は限られてしまいます。

そのため、どのような人材が求められているのか、常にチェックしておくことが重要です。

 

現在、特に求められているのは以下のような人材です。

 

・新規事業や新ブランドの立ち上げを任せられる人材
・既存事業の立て直しを任せられる人材
・IPO体制構築を任せられる人材
・サイバーセキュリティ体制の構築を任せられる人材
・M&A等の戦略立案・実行を任せられる人材
・会社の後継者や次世代の経営者候補
・女性管理職
・ウェルビーイングを推進できる人材
・DX推進等による経営改善のできる人材

年代ごとに問われる4つのスキル

またキャリアを築くうえで、各年代に応じた経験やスキルを積んでいくことが重要です。

以下の4つのスキルを段階的に身につける必要があります。

1. 実務スキル

業務を遂行するための基本的なスキルになります。

2. チームマネジメントスキル

チームを動かし、より大きな成果を生み出すスキルになります。

3. 未知問題の解決スキル

未知の問題が発生した際に、オリジナルの解決策を編み出すスキルになります。

4. しくみをつくるスキル

問題が発生しにくいしくみや、発生しても体系的に解決できるしくみを考え、問題が問題でなくなる状態をつくり、他の人がルーティンで解決できる仕組みを作るスキルになります。

 

例えば、ヘッドハンティングの対象となる管理職や経営者に求められるのは、「未知問題の解決スキル」です。

 

企業ではさまざまな課題が発生しますが、これまで経験したことのない未知の問題が起こった際にも、めげずに自ら解決策を見出し、リーダーシップを発揮して最後までやり遂げる経験やスキルが必要です。こうした管理職としてのスキルを十分に備えているかどうか、日々意識する必要があります。

 

また、経営者は問題が発生しにくい仕組みを構築すると同時に、万が一問題が起こった際にもシステマティックに解決できるような仕組みを考えて整えることも重要な役割です。

 

そのため、経営のポジションにいる方は、こうした仕組みを作ることができているのか、しっかり考えておく必要があります。

ヘッドハンターとのディスカッションから、新たな気づきを得られることも

キャリアについて、展望や気づきを得ることは一人では難しいこともあります。

 

その中で、ヘッドハンターとのディスカッションが、意外と気づきのきっかけになることがあります。

 

例えば、「周りから”すごい上手”と言われることはありますか」と尋ねると、本人は普通に行っているつもりでも周りから見ると意外とすごいことで、そこに本当にやりたいことが隠れていることもあります。

 

「自分が本当にやりたいことが見つからない」と感じている方でも、こうしたヘッドハンターとの会話を通じて、今まで気づけていなかったやりたいことに気づけることもあります。

 

さらに、ディスカッションだけでなく、各種ツールの提供や、それを活用したワークショップの実施も可能です。

 

人生100年時代において「変身資産」は非常に重要ですが、「どうすれば高められるのか」「そもそも自分にはどのような変身資産があるのかわからない」と悩まれる方も多いでしょう。そうした方のために、変身資産を測れるアセスメントも提供しています。

まとめ

定年を迎えるにあたって「その先どうするのか」気になりながらも、深く考えたくはないという方は少なくありません。

 

そして、気がつけば定年が目前に迫っているケースが多くなっています。

 

しかし、役職定年や定年は必ず訪れるものです。モヤモヤした気持ちを封印するのではなく、前向きに解消するためには、キャリアの専門家と話してみるのも一つの方法です。意外な気づきを得られることもあります。

 

実際、私がコーチングを行うと、多くの方が喜んでくださります。ただ気づきを与えるだけでなく、新たな一歩を踏み出す後押しもできます。定年が目の前に迫ってから慌てるのではなく、できるだけ早く将来について考え始めることをおすすめします。

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