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経営人材、CXO人材を目指す方が歩むべきロードマップとは?4つのステップを考える

目次

オーナー企業や中小企業において後継人事は死活問題となります。そのため、経営人材やCXO人材の探索にエグゼクティブサーチは積極的に活用されてきました。

 

しかし、経営人材やCXO人材を望まれる方でも、経験やスキルが不足している場合、良いご縁は生まれません。

 

今回は20年以上もヘッドハンターとして活躍され、多数の実績を持つMWH HR Products株式会社/エグゼクティブコンサルタントの桑原 雅彦氏に経営人材、CXO人材を目指す方に必要な経験を伺いました。

 

 

桑原 雅彦:Linkedin

 

プロフィール
大学工学部卒業後、リクルート、アデコ、編集工学研究所、縄文アソシエイツ社等の国内外の人材サービス会社にて法人営業、企画マーケティング、インキュベーション、次世代経営者育成、エグゼクティブサーチを経験後、2011年ヒューマン・アソシエイツに参画。 消費財・エンターテイメント・流通小売・サービス業界を中心に、老舗企業、隠れたチャンピオン企業、地方発グローバル企業の経営幹部、プロフェッショナル人材のヘッドハンティングで豊富な実績を持つ。執行役員コンシューマー事業部長を経て、2016年よりAIMSインターナショナルジャパンへ移籍。執行役員、代表取締役社長を経て2023年10月よりMHRPエグゼクティブサーチ事業部エグゼクティブコンサルタント。

 

ハイテクスタートアップ企業やベンチャー企業、老舗食品会社、総合商社、IT企業、流通小売、エンターテイメント企業の経営人材やプロフェッショナル人材の多数のヘッドハント実績があり、多くのネットワークを構築。

 

経営者・CXO人材を目指すなら、キャリアプランを考える必要がある

 

経営者・CXO人材を目指す際に、最初に何を意識すべきでしょうか?

 

ビジネスリーダーを目指したい方や、プロフェッショナルを目指したい方にお話したいのは、キャリアを積むにあたって、4つのステップがあるということです。

 

第1ステップは学校を卒業して最初の社会人デビューするタイミングから20後半ぐらいです。
次の第2ステップは20代後半~35歳くらいまで、第3ステップが40代半ばごろ、そしてそれ以降が4ステップ目だと考えています。

 

エグゼクティブサーチに対する、経営人材やCXO人材のご相談は増えている一方、候補者の経験やスキルが不足している場合は少なくありません。
将来、経営人材を目指す方であれば、年齢に伴って必要な経験やスキルを分析し、適切なタイミングでそれらを習得していくことを意識することが重要です。

 

20代はビジネス基礎能力が身につく時期、継続した努力とインプットが重要

 

第1ステップである社会人としてのスタートの時期には、どんな経験が重要でしょうか?

 

社会人として最初の時期に身につけなければいけないものはそれほど多くはありません。重要なことは、社会人としての基礎能力です。

 

例えば、基本的なコミュニケーション能力や、最低限の責任感、倫理観は身につけてほしいと考えています。また、継続した勉強やどんなことでも積極的に挑戦し、自身のビジネスマンとしての土台を堅実にすることが、その後のキャリアに影響していきます。
最初に様々なチャレンジをすれば、柔軟性も身についてくるものです。

 

最近では20代のうちに何度も転職をしていて、ビジネスマンとしての基礎力が育たないまま30代を迎える方も多いため、そこは残念に感じていますね。

 

様々な人材と出会う機会がある中で、継続して勉強している方や、努力を続けている方はどのような特徴がありますか?

 

最初に入社する企業は重要だと思います。企業によって得られる経験は全く違うため、学べるスキルや知識も大きく影響されます。例えばベンチャー企業では、多忙かつ成果が求められるため、インプットはおざなりになりがちです。

 

他にも単純な所で言えば、日経新聞を毎日読んでいるとか、読書を定期的にしてインプットを欠かさないとか、そういう些細な習慣でも重要だと思います。

 

特に日本人は、大学を卒業した後に勉強する習慣がないと言われています。
しかし、仕事で何かを成し遂げたいと考えるのであれば、学ぶ姿勢や習慣は最低限身につけるべきです。
私含め人事担当者やヘッドハンターは、どんな基礎トレーニングを積んできたのかを必ず見ています。

 

35歳までにビジネスパーソンとしてのスキルセットは確立すべき

 

続いて、第2ステップとして20代後半~35歳くらいまでに学ぶべきことを教えてください。

 

このフェーズは学ぶべきことが最も多いフェーズだと思います。
物事の本質を考える思考力や、プランを策定し遂行する力、チームプレーに必要な連携力など、ビジネスパーソンとして自分のやり方を確立し、自身のスキルセットを明確にできていることが望ましいですね。

 

また、若いうちのチャンスは少ないかもしれませんが、マネジメントをした経験や、チームを率いて物事を達成した経験もしていてほしいです。
この第2フェーズを経て、自分の持ち味やスタンスを理解出来て初めて、経営人材やプロフェッショナルに続く扉の前に立つ資格があると私は考えています。

 

そのためにも、なるべく何でもチャレンジするようなマインドセットを持っていてほしいとも思っていますね。

 

若いうちから経営人材やCXO人材の候補者になるために、具体的に必要な経験はありますか?

 

プロジェクトの大きさは問わないので、何かチームにおいてリーダーシップを発揮した経験、言い換えると0→1を達成した経験をしていてほしいです。
新規事業や新規プロジェクトで、お客さんに提供し、対価が得られるようなサービスを、自分で作り上げた経験が、年齢問わず一番重要だと思います。

 

ただ、大企業に所属している場合、分業が進みすぎていて、経験の幅が狭くなってしまいがちで、経営人材としては経験が不足して見えてしまいます。
そういった方は、副業でもボランティアベースでも、自分の裁量を持って挑戦できる分野に是非チャレンジしてみてください。

 

1円を生む苦しみを経験している方には、私たちも相談に乗りやすいですし、その経験から自身のエキスパートや専門性の軸が見つかることも多いです。

 

また、少なくとも30代半ばぐらいまでには、自分が進むべき道、経営者を目指すのか、CXOを目指すのか、エキスパートプロフェッショナルの道を選ぶのかを考えた方がいいと思っています。
自分と向き合ったり、信頼できる人に相談したりして見通しは立てた方が絶対に良いです。
その際には我々ヘッドハンターも役に立てる部分は多いと思います。

 

経営人材やエキスパート人材の候補者となる絶対的な経験とは?どちらもマネジメント能力は必須

 

ステップ3として40代中盤までに、経営者やCEOを目指す方はどんな経験が加わるべきでしょうか?

 

経営の知識や関連するスキルセットは身につけておいた方良いと思います。そのためにコンサルティングファームやビジネススクールを経験される方も多く、実際に有効な手段の一つです。

 

あと絶対的に必要なことは、社長に近いような位置でPL(損益計算書)を持つ経験です。事業部長やマネージャーなど立場はなんでもいいので、遅くとも40代中盤ぐらいまでにPL責任のキャリアは持っておかないと、経営人材の候補者に挙がるのは難しくなります。

 

PL責任は経営者としての一般的なロードマップに入るので、経営人材を目指す方は、社内でも転職でも積極的に機会を追わないといけないですね。
今の環境で難しいと感じたら、環境を変えることも視野に入れるべきです。

 

CXOやCHRO、COOなどのプロフェッショナル人材になるために必要な経験は何でしょうか?

 

CXOは経営者と違って、より自分の専門領域で幅を広げることが大事です。

 

例えばCHROを目指して、人事のキャリアを積みたい方の場合、採用だけでなく、人事制度や研修まで幅を広げて経験を積む必要がでてきます。

 

また、自分の専門領域の幅を広げて、なおかつ自分の領域でのマネジメント経験も積んでおく必要あります。これも専門領域によりますが、最低限、ピープルマネジメントを経営者目線に近いポジションで経験するべきでしょう。
CXOでも経営者としての目線を身につけていないと、社長と理解し合うことができないからです。

 

エグゼクティブサーチの際に、他にも重視している要素はありますか?

 

マインドもとても重要です。
色々なリーダーシップのスタイルを身につけて、多角的にチームでバリューを発揮できるような柔軟性が身についていてほしいですね。

 

例えば、メンバーの構成を考えて、ハードマネジメントにしたり、ある程度自主性を持たせたり、ワンパターンなマネジメントスタイルではなく、色々なリーダーシップのパターンを持っていると魅力的です。

 

あとはやっぱり修羅場で逃げないことですよね。
仕事をすることは様々な環境変化にさらされるので、ストレスフルな環境や、修羅場を経験することもあります。そこで逃げない胆力や人間性は結構大事なことだと思っています。
こういったマインドセットは、スキルや経験とは別に身につけていてほしいです。

 

キャリア終盤に向けて、自身の選んだ道で経験に厚みを出す

 

40代中盤までお話をお伺いしましたが、この後の最後のステップとして、どんな動き方や考え方が必要になりますか?

 

この後は、経営人材やCXO人材としてポジション就き、経営しながらも経営者として経験を積むフェーズですよね。

 

いろんな経験を積んで実績を出すことで、他社からもオファーがもらえるような人材を目指せると思います。どんな道であれ、自分が選んだ道でどんどん経験積んで、お金儲けだけではなく社会貢献や次世代育成まで視野が広げられると、より魅力的な人材に感じますね。

 

ヘッドハンターをしていると、意外なほど将来のビジネスプランや、そのために必要な経験を言語化できていない人が多いです。特に欧米と比べると日本人は、自分の将来を描くことが苦手だと思っています。

 

例えば、会社が早期退職者を募集しているタイミングで、退職金の誘惑につられて、深く考えずに退職してからヘッドハンターを頼る場合があります。

 

しかし、その段階だと転職戦略や次ポジションの見通しを立てる時間が足りないんですよね。
50台を超えている方や、定年間際の場合でも、自身のキャリアの見通しは立てるべきですし、もし転職やポジション替えを検討しているのであれば、早めにヘッドハンターを頼るのも一つの手です。

 

ヘッドハンターに相談して、目指すべきキャリアに向けたロードマップを描こう

 

自身のキャリアプランやキャリア戦略を考え上で、ヘッドハンターを頼るメリットを教えてください。

 

前提として、経営人材やCXO人材を狙う場合は、必要なステップが明確に存在し、適切なロードマップを考えることができます。

 

しかし、日本のビジネスマンには自身のキャリア戦略を深く考えられている人材は少ないため、ヘッドハンターを活用し、自身をジョブマーケットに晒してみることが効率的です。
実際に転職するかどうかはどちらでもよくて、自身の進むべき道やそのポジションに必要な経験を言語化するための壁打ち相手でも、ヘッドハンターは力になれます。

 

現在、政府や企業でもリスキリングの必要性が言われており、会社員は自立性を求められていますよね。

 

ただ、今まで仕事は降ってくるものであり、会社の決定に左右されてきた環境だった場合、時代の流れに戸惑う方は多いと思います。

 

そういった面でも、例えば40代前半とか中盤ぐらいのキャリアを駆け抜けてきたタイミングで、我々のようなヘッドハンターに話をして、キャリアプランを練り直すことはとても重要です。

 

実際にそういうお付き合いしている候補者の方も多くいますので、自身の目指すべきキャリアに向けたロードマップが描けていない方は、是非一度ご相談してください。

担当コンサルタント

  • 桑原 雅彦

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