業界情報
未経験からコンサルティング会社への転職
目次
コンサルティング業界、ファンド、事業会社を経験し、2023年10月にMWH HR Products株式会社の代表取締役社長に就任した、大原氏からコンサルティング業界の現状や働くことのメリットなどを語っていただきました。
MWH HR Products株式会社 代表取締役社長 大原 智彦
プロフィール / Linkedin
・株式会社野村総合研究所 : 2000年~2004年
・大和証券SMBCプリンシパルインベストメンツ:2005-2010年
・企業再生支援機構:2010-2013年
・夢真ホールディングス:2013-2015年(専務取締役)
・ソルプラス:2015-2019年(取締役CFO兼CSO)
・富士通コンポーネント:2019-2023年(執行役経営戦略担当 兼 複合カンパニーカンパニー長)
・MWH HR Products株式会社:2023年~現在(代表取締役社長)
コンサルティング会社が採用に積極的な理由・求められていること
それではよろしくお願い致します。
まずは、今、各コンサルティング会社が積極的に採用活動をされているのですが、その理由や求められていることはどんなことでしょうか?
大原氏:事業環境の変化が激しいから、コンサルティング会社も新しいことを求められています。
今は、経営コンサルティングだけでなく、コンサルティング会社の求められる領域が増えてきている。
例えば、DX、SCM、政府関連、公共系、地域課題、社会課題、M&Aなど、このように、コンサルティングが求められる領域が広がってきているので、様々な事業会社、IT企業で勤務されているなどを積極的に採用していますね。
なるほど、確かに事業環境の変化は激しいですからね。
コンサルティング会社は、そうした変化に柔軟に対応できる人材を求めているのですね。
コンサルタントに求められていること
大原氏:月並かもしれないのですが、新しいことをキャッチアップしないといけない。事業会社の人が知らないことを知らないといけないのです。
具体的には、どんなことをキャッチアップする必要があるのでしょうか?
大原氏:最新のトレンドや技術、業界の動きなど、幅広い知識が必要です。また、論理的思考力やコミュニケーション能力も求められます。
なるほど、コンサルタントは、幅広い知識とスキルを備えている必要があるのですね。
コンサルティング会社に転職するメリット
コンサルティング会社に転職するメリットは、どんなところでしょうか?
大原氏:大きく分けて、以下の3つが挙げられます。
- 経営スキルを身につけることができる
- 短期間で多くの経験・ビジネススキルをつけることができる
- 給与や待遇が良い
1つ目の「経営スキルを身につけることができる」というのは、具体的にはどのようなことですか?
大原氏:コンサルタントの仕事は、クライアントの経営課題を解決することです。
そのため、経営全般に関する知識やスキルを身につけることができます。例えば、事業計画の策定や、組織改革、IT戦略の立案など、幅広いスキルを身につけることができます。
2つ目の「短期間で多くの経験を積むことができる」というのは、どのような意味ですか?
大原氏:コンサルティング会社では、プロジェクトごとにクライアントや業界が異なります。
そのため、短期間で様々なお客様の課題解決をいくつも経験することになります。そんなことは他の業界はないと思いますし、これが短期間で多くの経験・ビジネススキルをつけることができます。これは、ビジネスマンとしての価値を高める上で大きなメリットです。
3つ目の「給与や待遇が良い」というのは、どれくらい給与が上がるのですか?
大原氏:一般的に、事業会社からコンサルティング会社に転職すると、給与は1.5倍〜2倍程度上がります。また、福利厚生も充実していることが多いです。
コンサルティング会社に転職すると、給与や待遇が大きく上がるのは魅力ですね。
コンサルティング会社の働き方は?
コンサルティング業界は激務なイメージがありますが、いかがでしょうか?
大原氏:現在は、かなり変化していると思います。残業も過去に比べれば、かなり少なくなっていますし。
なるほど、働き方も変化しているのですね。未経験からコンサルティング会社転職した場合、まずはどんなことをするのでしょうか?
大原氏:コンサルティング会社の業務の基本はお客様の課題解決なので、そこに関わる、現状把握、データ分析、課題把握、改善提案、改善評価を繰り返しやっていくことになります。
若手は、言われたことだけやるのではなく、自分の意見や考えを積極的に発言することが求められます。また、課題解決に向けて、自分で考え行動する力も求められます。
若手は、言われたことだけやるのではなく、自分で考え行動する力が必要なのですね。
コンサルティング会社の面接
コンサルティング会社が面接で重視することはどんなところでしょうか?
大原氏の回答:大きくは、3つかなと思います。
- 論理的思考力
コンサルタントの仕事は、クライアントの課題を解決することです。そのため、物事を論理的に考え、解決策を導き出すことができる論理的思考力が求められます。
例えば、面接では、過去の経験から得た課題をどのように解決したか、その際にどのような思考プロセスを踏んだかを問う質問がよく出されます。
- コミュニケーション能力
コンサルタントの仕事は、クライアントや社内外の様々な人とコミュニケーションを取ることが重要です。そのため、自分の考えや意見をわかりやすく伝えることができるコミュニケーション能力が求められます。
例えば、面接では、自分の強みや弱み、なぜコンサルティング会社を志望するのかなどを、論理的にわかりやすく説明できるかどうかを問う質問がよく出されます。
- 課題解決能力
コンサルタントの仕事は、クライアントの課題を解決することです。そのため、課題を分析し、解決策を立案・実行する課題解決能力が求められます。
例えば、面接では、過去の経験から得た課題をどのように解決したか、その際にどのような解決策を立案・実行したかを問う質問がよく出されます。
また、コンサルティング会社によって重視するポイントは異なります。例えば、戦略系のコンサルティング会社では、論理的思考力や課題解決能力を重視する傾向があります。一方、IT系のコンサルティング会社では、ITに関する知識やスキルを重視する傾向があります。
そのため、応募するコンサルティング会社の特徴を理解した上で、面接対策をすることが大切です。
コンサルティング会社の先のキャリア
コンサルティング会社を経験すると、その先のキャリアはどんなものになりますか?
大原氏:もちろん継続してコンサルティング会社に勤務して、一流のコンサルタントになっていただくのが良いのですが、コンサルティング会社を経験すると、その先のキャリアは事業会社に経営者として転職することや起業することがあると思います。
コンサルティング会社を経験すると、事業側に回りもっと事業に直接関わりたいと思うことが多いのだと思います。
コンサルティング会社では、前にもお伝えしたとおり、課題解決力や会計の知識などが付きます、それらは経営する上では非常に重要やスキルですので、事業会社で経営者として活躍している人も多いです。
コンサルティング会社に向いている人
どんな方がコンサルティング会社に受けてみるべきだと思いますか?向いていると思いますか?
大原氏:成長意欲、自分の価値を上げたいと思う人は、是非受けてほしいですね。
事業会社の経験がある方にはコンサルティング会社を受けてほしいとおっしゃいましたが、事業会社の経験はどんなところがコンサルティング会社で活かせるのでしょうか?
大原氏:事業会社の経験は、コンサルティング会社で活かせることが多いと思います。具体的にあげると2つあると思います。
- 実務経験
業界での実務経験は、そのままコンサルティング業界でも活かせます。コンサルティング会社で、元々いた業界のプロジェクトに入ることは頻繁にありますので。業界を理解している、実際に業務に携わっていた人の視点や知識は、やはり強いですね。
- 会社の仕組みを理解している
表現が難しいですが、会社の意思決定や人を動かすことは、難しいことだと思います。
事業会社で勤務されたいた方はそこらへんを理解している人が多いと思います。会社でどのように意思決定がされるのか、会議や誰がなにを気にするなどもそうですね。
また人を動かすこともあります。正しいことをそのまま伝えていても人は動かないこともあるじゃないですか。そこをどう伝えたら、どう表現したらというのも、事業会社を経験している人にはわかると思うので、コンサルティング会社でも活かせると思いますね。
最後にコンサルティング業界に転職を考えている方々に一言お願いします。
大原氏:コンサルティング会社への転職は、決して簡単な選択ではありません。しかし、その分、得られるものは大きいと思います。
事業会社の経験がある方は、コンサルティング会社で活かせるスキルや経験をたくさん持っています。ぜひ、その経験を活かして、コンサルティング会社でチャレンジしてほしいです。