企業インタビュー

CxO firmがつくる、新たな「x」を生み出す仕組み(前半)

今回はポストコンサルキャリアとしてCxOキャリアを歩んでいる弊社代表取締役社長の大原が、「CxO firm」という方針を掲げ、クライアントの課題解決とコンサルタントの成長に対して様々な施策を取り組まれている、株式会社Regrit Partnersの経営企画 Managing Directorである甲斐様にお話を伺いました。甲斐様と弊社大原は企業再生支援機構時代に同じプロジェクトで同僚として働いており、気心知れた間柄であることもあるため、CxOとして必要な経験やスキルに対しての取り組みについて忌憚なくお話を伺うことができました。

 

株式会社Regrit Partners 甲斐 剛誌 氏

 

 

CxO firmとして日本の社会課題を解決する

 

 

まずは、コンセプトとして掲げている「CxO firm」の考え方について教えてください。(大原)

 

 

甲斐氏:
Regrit Partnersは、他社との違いとして「個の変革により、世界に変革をもたらす」ことをパーパスとして挙げ、「CxO firm」をビジョンとしています。わかりやすい目標としては、1,000人のCxOをクライアントや弊社、または関連会社から輩出することを掲げています。

今の日本のビジネスシーンにおいて、CxO人材の不足という強い問題意識を持っています。具体的には、事業承継がうまくいかずに廃業する会社や、DXやサステナビリティといった時流に乗れず事業成長できない会社が多くなってきていると感じています。

DXに関してはわかりやすい例です。成長するためにDXを活用したいと考える企業は多いものの、精通した人材が社内にいない、ゆえに上手く実行できず企業変革が起きない、結果として企業成長に繋がらない、ということが多いと感じています。その背景にあるのは、DXで言えば、「最新のソリューションを理解し、企業変革・企業成長を担える人材の不足」であり、同様の状況が様々な必要機能で起きています。そのため、弊社から企業変革・企業成長を担えるCxO人材を輩出していくことが日本のビジネスシーンにおける課題解決につながると考えています。

 

 

コンサルティングファームのクライアントに対する支援は様々な形があるなかで、CxO firmをコンセプトとして掲げるRegrit Partnersはどのようなポジションを取っているのでしょうか?(大原)

 

 

甲斐氏:
弊社はアドバイザリーに限定せず、企画構想から実行支援まで行っており、プロジェクトテーマにおいても特定領域に限定せず戦略立案から業務改革、テクノロジー導入までクライアントニーズに合わせて提供しております。また課題に対してクライアントを自立・自走させることを正としているため徹底的な伴走型の支援スタイルをとっています。
その結果として、クライアントにとって頼れるパートナーとして実務への関与が多くなり、プロジェクトを通じて成果を追求することでCxO人材に近づくことできると考えています。

 

 

CxO人材の輩出を目的とした場合、貴社コンサルタントの皆さんの将来的なキャリアとして事業会社への転職もあり得ると感じました。人材紹介会社として事業会社の皆さんからいただくCxO人材のリクエストを聞くに、コンサルタント経験者に入社いただきたいと考えている企業は多い一方、コンサルタント経験のみではなく、他の事業会社における実務経験を求めるクライアントも多くあります。このギャップに関する考えをお聞かせください。(大原)

 

 

甲斐氏:
事業会社の経営陣がCxO人材を求める際に、コンサルタント経験しかない人材を据えることについて不安を感じるのは理解できます。コンサルタントにとって安定的にプロジェクトを受注することは、結果としてプロモーションするためには非常に重要な要素です。また、その過程の中で一定程度の専門性を確立することとなります。一方、コンサルタントの成長のみを追求すると、CxOに求められる要素から離れるのが論点と認識しています。

私自身、航空機部品を取り扱う企業のCxOとして関わった際、最初は知識・経験のない業務が多く、また事業会社における様々な課題に対してどのようにアプローチすると成果に繋がるのか分からず苦労しました。その際に、コンサルタントが将来CxOになるためにCxOの業務の一部を経験でき、学ぶことができる場所、つまりコンサルティングファームから、いきなり事業会社のCxOとして転職するのではなく、1クッション置いてCxO業務を実質的に経験できる場所を作りたいと感じました。弊社がCxOとして学べる環境をつくり、実際にCxO人材を輩出することで、大原さんに指摘いただいたギャップの解決につながると考えています。

 

 

私も過去ビジネスコンサルタントから自己資金投資会社や事業会社の取締役に転職経験があり、転職直後はビジネスコンサルタントとして知識・経験がない業務が多く、非常に苦労しました。コンサルタントの皆さんがCxOとして活躍いただくためには、通常のコンサルティング業務では扱うことが少ない内容への理解・経験が必要と思いますが、Regrit Partnersではどのような機会を提供することで、コンサルタントの皆さんのCxO人材としての成長を促していくのでしょうか?(大原)

 

 

甲斐氏:
弊社自体がより面白い組織となることを目的に、自社事業運営に携わる社内制度である「Consulting+1」活動を通じて、CxOの疑似体験をしていただく機会を提供しています。今後はM&A等を通じて弊社から投資先や協業先に人材を派遣し、CxOとしての実務経験を積んでいただくことも想定しています。

 

 

「Consulting+1」を通じたCxOとしての疑似体験

 

コンサルタントとしてはクライアントワークが一般的であるため、Consulting+1活動を通じて事業運営そのものを経験できることはCxOを目指すためには非常に良い活動と感じました。本活動における具体的テーマを教えていただけますでしょうか。(大原)

 

 

甲斐氏:
Consulting+1で取り組める領域は非常に幅があり、主要テーマとしては経営管理、マーケティング、採用・ブランディング広報、トレーニング、ナレッジマネジメント等があります。

例えば、経営管理では、サステナビリティ等の新たな領域に関与することができ、将来的なChief ESG/Sustainability Officerのようなキャリアも描けます。また、トレーニングに興味があればCHRO(Chief Human Resource Officer)のような領域に一部関与することも可能です。コンサルティングプロジェクトを通じてコンサルタントとして必要なスキルを伸ばしつつ、Consulting+1活動に関与することで、ご自身の関心があるテーマの幅を広げたり深めたりしつつ、各テーマの実務経験を得ることができます。

 

 

コンサルタント経験がある方は、自分の専門分野に関するテーマに取り組むケースが多いのでしょうか?(大原)

 

 

甲斐氏:
コンサルタント経験者は、最初は経験を生かせる分野に取り組むケースが多いです。例えば、前職でサイバーセキュリティに携わっていた方の場合、Consulting+1の活動においてセキュリティ高度化に取り組むケースがありました。ご自身のコンサルティング経験を生かして、社内セキュリティの高度化を進めるイメージです。ご自身の取り扱えるテーマの幅を広げるために、新たなテーマにチャレンジする方もいます。

 

 

Consulting+1活動について、実際に取り組まれた方の反応はいかがでしょうか?(大原)

 

甲斐氏:
私個人の印象としては、大変であるものの、目的を持ち、楽しんで取り組まれている方が殆どと感じます。会社名に「GRIT」という言葉が含まれている通り、「最後までやりきる」というフィロソフィーが社内DNAとして定着していること、弊社の従業員はコンサルティングワークにおける消化不良から脱却を図りたい方や、プリンシパルとしてやっていきたいと考える方が多いことから、Consulting+1活動において精力的に活動し、楽しまれているように感じています。

 

 

私の経験上、事業会社においてスピーディーに成果を出すために、自社リソースのみで全て実行するのではなく外部専門家を活用するケースが非常に多いと感じています。通常はコンサルタントの皆様が外部専門家でありますが、逆にConsulting+1活動においても同様に外部パートナーを活用して、迅速に成果を創出しに行くケースもありますでしょうか?(大原)

 

 

甲斐氏:
外部パートナーに依頼するケースはありまして、Regrit Partnersにとって一番良い形で進める、というのが本活動の根本的な方針となります。自社リソースのみで進めること、外部パートナーに依頼して一緒に進めること、最適な方法を採用する形となっています。このような方針もConsulting+1活動が、将来のCxOとしての疑似体験になると考えています。

 

 

その他に、CxO firmとしてユニークな取り組みがあれば教えていただけますでしょうか。(大原)

 

 

甲斐氏:
「Grit Times」という全社会を通じて、視座が高まるような機会を提供しています。具体的には2〜3ヶ月に1回の頻度で、関西支社メンバーを含む全社員がオフラインで集まり、コンサルタントでありながらもCxOとしての目線を持つことを目的に、ゲストスピーカーとして著名なCxOの方をお招きして講演をしていただいています。

 

 

次の記事につづく:CxO firmがつくる、新たな「x」を生み出す仕組み(後半)

 

 

 

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